2018年11月

「季のフォルム」

2018年11月21日

 

 

 

 

 

 

モリソン小林「季のフォルム」

 

いよいよ明後日23日より、+106 さんにて始まります。

 

 

 

 

今回は小林が夏山で出会った植物たちを制作しています。

 

 

 

 

実際に山で目にする植物はどれも小さく控えめに咲いていて

 

わたしなどは、気がつかなくて通り過ぎてしまいそうになります。

 

 

 

 

日頃からたくさんの植物図鑑をよく見ている小林は

 

花をつけていない植物でも、葉の形状の特徴からその存在に気がつき

 

ひとつひとつ丁寧な目で観察しています。

 

 

 

 

金属植物が多くの人たちの心に届く理由のひとつに

 

このように、制作する対象に真摯に向き合う姿勢があるからでしょう。

 

一緒に登山をすると、学ぶことがとても多いのです。

 

 

 

 

また、8年ぶりの制作になる蝶は、細かく作られた胴体部分は勿論のこと

 

光を受けて透けて見えるような翅も繊細で美しい出来栄えです。

 

こちらもぜひご覧いただきたいです。

 

 

 

 

初の四国での展示となります。

 

皆様どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

 

 

モリソン小林個展「季のフォルム」(ときのフォルム)

 

会期:2018年11月23日(金祝)〜12月2日(日) 11:00〜18:00 会期中無休

 

会場:+106 香川県高松市屋島西町2453-20 RENOWA YASHIMA 106

 

在廊日:11月23日(金祝)

 

www.plus106.net

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愉しい嘘

2018年11月14日


錆画:双子星の音色


冒頭の写真の作品は、宮沢賢治の小説「双子の星」をテーマにしました。


小説に出てくる心優しい双子のお星様、チュンセ童子とポウセ童子。


この可愛らしい名前を聞くと、3つ歳上の従姉を思い出すのです。






彼女は手先が器用で、絵を描くことがとても上手。


わたしは幼い頃、その従姉と遊ぶのがとても楽しみでした。


ある日幼稚園から帰って、従姉の部屋で遊んでいると


「昨日の夜ね・・・」と彼女が不思議なお話を始めました。


内容はといいますと・・・。






夜中にお手洗いに行きたくなって目が覚めた彼女。


部屋から出て、寝ぼけ眼でトイレまでの廊下を歩いていると


廊下を突き当たった壁に、突如白くモヤモヤっとうごめくものが現れました。


得体の知れないモヤモヤは少しづつ大きくなって不気味に白く光っています。


突然のことに恐怖する彼女は、立ちすくんだまま声を出すこともできず


心の中で「怖い!!!誰か助けて〜〜!!!」と叫ぶと


なんと、そこに颯爽と現れたのは


「ピットコタン」という


背丈約25cm(わたしの勝手なイメージ)の正義の味方。


マントをつけていて、おそらく妖精か妖の類。






正義の味方ピットコタンは、小さな身体でぴょんぴょんと飛び跳ねながら


持っていた剣で白いモヤモヤと勇敢に戦い、見事退治してくれました。


感激した彼女は、お礼に台所にあったリンゴを紙袋に入れて渡すと


ピットコタンはリンゴを受け取って去ってゆきました。


この話に幼いわたしは大興奮しました。


ピットコタンに会いたくてしょうがない。


話を聞いてから数日間は


うちにもピットコタンが現れてはくれないかと母にリンゴを用意してもらい


毎晩心待ちにしたのでした。






しかし・・・いちども現れてはくれませんでした。


単純なわたしは、小学校の3年生頃までだったと思うのですが


従姉のこの作り話をまんまと信じていて


友達が集まって「不思議な話、怪奇話」になると


持ちネタのひとつとして披露していました。






そんなある日、本当に突然だったのですが


「あ、あの話は嘘だ」と気がついたときの、なんとも言い難い現実感。


今でもよく覚えています。


自分だけが止まっていて


周りの景色が早いスピードで大きくなり、過ぎていくような・・・






だいぶ大人になってから従姉に「あの話、信じていた」というと


彼女は「あんたが信じるから面白くてー」と、ケラケラ笑っていました。


大人になった今でもこの話を思い出すと自然と頬が緩みます。


彼女の作り話で、わたしは想像するというとても愉しい夢をみました。






「双子の星」からはだいぶ話が逸れてしまいましたが


わたしの頭の中では


チュンセ童子、ポウセ童子とピットコタンがどうしても繋がってしまい


従姉のことを思い出すのです。


今は、現実があまりにもハードすぎるのでしょうか 笑


愉快な夢をみることができませんが


たまには誰も傷つけない愉しい嘘に騙されてみるのもいいかも、と思います。


どうでしょう?






ピットコタン


だいぶ月日は経ってしまったけれど


今夜うちに来ませんかー。


りんごを用意して待ってますよーーー。




 

御礼

2018年11月1日

錆画:「寂寥の月」

 

 

 

 

 

 

 

展示会最終日は綺麗な満月が浮かんでいました。

 

 

 

 

最終日が満月とは、お月さまの絵を描いたことへの神様の粋な図らいのような気がして

 

やってよかった、とひとり妙な納得をしてしまいました。

 

 

 

 

「金の小舟と天鵞絨の空」

 

多くの方々にお運びいただきました。

 

都内近郊や三島に御在住の方々

 

沖縄からは旧友が来てくれたり

 

大阪からもお世話になっていますギャラリーの方がお見えになったりと

 

遠方からもお越しくださいました。

 

Lucchiのアクセサリーをお持ちのお客様もいらして

 

過去の自分と再会したような

 

そんな嬉しい時間を過ごすことができました。

 

ご来場くださいました皆様に心より深く御礼を申し上げます。

 

誠にありがとうございました。

 

 

 

 

この展の企画をされましたsoraさん、二人展をご承諾くださいました小野さん

 

お二人にも心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

今展に向けての制作では、一歩

 

いえ、半歩でもいいので前に進んで

 

思考と表現の先っぽを掴みたいと思っていました。

 

果たして掴めたのかどうか、きっとそれは描き続けることでしかわからないのでしょうね。

 

 

 

 

小さくとも心の中に掲げた旗を汚さぬように、大切に

 

澄んだ風の吹く方へ歩んでいこうと思います。

 

 

 

 

皆様、どうもありがとうございました!

 

またお会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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