ものごとを始めるに至ったきっかけ。
もしくは終わることを決めたきっかけ。
きっかけというと子供の頃に遊んだ人生ゲームを思い出してしまうのですが、
サイコロこそ振らないものの、これから進むべき道を左右するような
いくつかのきっかけや出会いが、人生の中にはあるように思えます。
2014年にatelier galleryで開催した彫刻展「光の祈り」。
小林から彫刻の背景に絵が欲しいと頼まれて
いつもの「作りたがりの3日坊主」で引き受けたのが
わたしが「錆画」を描くに至ったきっかけでした。
当時は、そのきっかけがお膳立てしてもらったような気がする上に、
なんとなく窮屈さを感じてなかなか素直に受け入れることが出来きなかったのです。
結果、錆画の魅力に気がつき、掘り下げてゆこうと決めるまでに
随分と遠回りをしてしまいました。
聡明な人ならばもっと早くに気がついたことかもしれません。
力づくで肯定するように聞こえるかもしれませんが、
この遠回りもわたしにとって必要な時間だったのだと思います。
今、大切な機会を与えてくれた小林にとても感謝しています。
わたしのきっかけは大きな波のようにやってきたのではなく
足元に幾度も打ち寄せる小さな波の中にありました。
後々振り返ってから気がつくのでしょうね。
「あのときがそうだった」と。
その小さな波に身を任せて
海月のようにゆらゆらと漂ってみると何処に流れ着くのだろう、などと想像してみるのですが
いかんせんこの頑固な性格、バシャバシャと全力で犬かきなどをして逆らいそうで・・・。
我ながら頭が痛いのです。