遅ればせながら
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今回は沖縄県宜野湾市にあります
「佐喜眞美術館」をご紹介します。
普天間飛行場に隣接した佐喜眞美術館は
館長の佐喜真道夫氏が長い年月をかけて普天間飛行場の一部を返還させた土地に
戦争を知り平和を考える「もの想う場」として建てた美術館です。
帰省する度に訪れるこの「もの想う場」は
静寂と祈りに包まれ、騒ぐ心を静かになだめてくれます。
2016年の11月に帰省したときも、
久々に訪れた佐喜真美術館は、以前と変わらぬ優しさでそこに在り、
迎い入れてくれました。
心が引き裂かれそうになる戦争の惨さ、その戦争によって狂ってしまった人間の醜さ、
命の尊さ、儚さ、平和への切なる思いを描いた、丸木位里、俊ご夫妻、ケーテコルヴィッツ、
ジョルジョ・ルオー、そのほか沖縄県内の作家による作品群は、
わたしの思いを確かなものへと導いてくれます。
その思いは到底わたしに背負えるものではないのですが、
周りの雑音を気にすることなく、作家として未来を見る眼差しと
光を与えてくれます。
重いテーマの作品ですが、
こう、なんて言いますか・・・
むくむくっと静かに身体の内側から力湧いてくるような、
そんな気持ちにさせてくれます。
私見ですが、それが芸術の持つ真の力だと思っています。
芸術の役割を考え、素晴らしさを胸いっぱいに感じられる貴重な美術館です。
美術館の屋上の階段は、6月23日慰霊の日の日没に合わせ、
最上段の窓から光が差し込む構造になっています。
階段も6段と23段と、こだわった造りになっていて、
隅々まで平和への想いが感じられます。
皆様も機会がありましたら是非、この「もの想う美術館」を訪れてみてください。