大胆なゼブラ柄の肌を露わに
巨体をどっしりと横たえて
山が荒々しく呼吸する
下界との扉を完全に閉ざした世界は
怖くなるような静けさで
地を踏みしめる音と
鳥の鳴き声だけが耳に届く
山道には常に何かの気配
どこまでも自分たちの居場所にしたがる下界からの訪問者は
あまり歓迎されてはいないのだろう
遥か上の方からの静かな眼差しを全身に感じながら
長居をしてはいけないと
だた歩くことのみに神経が注がれる
生きることのみを考える
その雄大な懐で見せてくれるあなたの数々の表情の美しさ
美とは慈しみと恐れ
その美しさと引きかえに持っていかれそうになる命を
震える手脚で守りながら
決して馴れ合いを許さないあなたに感じる恐怖と憧れ