美しい植物の成長が今も止むことなく、隙間なく全てを覆い尽くそうとしているこの空間は
あまりに静かすぎて、人の気配はまったく感じられず
子供の頃に見た、草木がうっそうと生い茂る廃墟や空き地の記憶と重なって
少し怖い感じさえしました。
すでに作者の手から離れてしまった空間は自ずと成長して
設置の時に一緒に作り上げた空間とは印象が違って見えました。
人類がいなくなった後の世の一部を切り取っているようにも思えて
「風の谷のナウシカ」の一場面を思い出し
「自然と人間との共存」は本当にありえるのだろうかと考えてしまいました。
わたし達は決して対等ではなくこの地を間借りしている身であることを忘れてはいけない
そんなことを言われているようで、自然の持つ脅威という別の顔を見たような作品でした。
第24回 岡本太郎現代芸術賞展
〜4月11日(日)17:00まで
川崎市 岡本太郎美術館にて開催中