地上戦があった沖縄で育ったからか、「反戦画」を目にする機会が多くありました。
帰省した際に行く美術館には、県内出身の画家による反戦画が展示されており、
私はその暗く悲惨な歴史をまじまじと鑑賞する勇気などなく、
いつも心のどこかに罪悪感のようなものを感じながら、
足早にその作品の前を通り過ぎていました。
自分が「画家」を志すようになってから迎えた終戦の日。
今、絵を通して思うことは絵画、芸術の役割について。
そのひとつに「社会を反映する」という役割が芸術にはあるのだと、
反戦画の存在を通して思いました。
「戦争」という重たい歴史を題材に、描く、描かないは別として、
「戦争」を知ることは避けては通れないことで、
同時に近代の画家たちの歴史を知ることでもあります。
私自身は、プライベートな絵ばかり描いていますが、人が目を背けたくなるような
戦争の恐ろしさを描き、伝え続けようとしている多くの画家の決意と行動を
尊敬しています。
そして絵筆をもって自由に描ける平和な世の中であってほしいと痛切に願います。